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美術館やアートを、”親子”という視点からとらえたアートいろいろレポート。 3ヵ月に一度、AACメンバーが持ち回りで執筆します。 今回は三浦さんからの、ポンピドゥー国立芸術文化センター訪問記をお送りします。 |
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先日フランスのパリにあるジョルジュ・ポンピドゥー国立芸術文化センターに行ってきました。ここは、国立近代美術館をはじめ、公共情報図書館や音響音楽研究所などがある総合文化センターで、1階の左手、中2階の下には、子供のための「子供のギャラリー」や「教育スペース」も設置されています。私が来館した時もたくさんの子供がいました。5階にある展示室でルイーズ・ブルジョワさんという人の作品を見ていた時のことです。彼女の作品は中に入ることができ、貯水槽の形をしたものの内部に、塗れたベッドと、そのまわりに、鉄の棒に小さなガラスの瓶がたくさんとりつけられ、反対側に男性物のコートにかかえられるように子供のワンピースがかけられています。私が1人でその中にいると、後から小学生のフランス人の女の子2人と男の子1人がやってきました。作品の中には3人しかはいれません。ゆずってあげると、かわいらしくMerci(ありがとうと)いいました。あまりに礼儀が正しく、作品に対する態度が真剣そうだったので、“何を言うのかな”と思っていると、はじめは1分間くらい、じっと静かに作品を見ていました。そのうち「綺麗。」とか「ベッドがぬれている。」とか「水かな。」とか見たままの感想を口々にしていました。“また黙ったな”と思ったら、1人の子が「でもさ、哀しいね。」といったのです。私は、非常にびっくりしました。壁にかけられているワンピースに刺繍されている言葉が、なんと「Merci Mercy」「ありがとう/哀れみ」なのです!この感性の鋭さ、偶然。感動のひとときでした。 三浦 | ![]() |
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Pompidou Center | |||||||||||
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AACでは、海外のあちこちで生活している方々にお願いして、海外の親と子、また子どもたちはどのように美術館を楽しんでいるかレポートしてもらっています。イタリアのフィレンツェで美術の勉強をしていた日山麻奈さん フランスのヴェルサイユで働いている松井佳織さんといった海外特派員さんがみなさんに新鮮な情報をお伝えします。楽しみにしていて下さいね。 | |||||||||||
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