今ワーキングホリディでフランス、ヴェルサイユに行き、ヴェルサイユ宮殿で働いている松井佳織さんが、
その様子をレポートしてくれました。

ヴェルサイユ宮殿

今みなさんに名だたる観光名所として知られているヴェルサイユ宮殿は、18世紀のフランスの国王ルイ14世が莫大な金額を使って建てたもので、
ルイ16世とその妻マリー・アントワネットがフランス革命によって断頭台に立つまでその栄華を誇っていました。
その後ナポレオン一世が改装を行い、ルイ18世に引き継がれましたが、7月革命により放棄されてしまっていました。
幸いルイ・フィリップがこの建物を美術館にすることを提案したことから、壊されることもなく今に至っています。

さて、ヴェルサイユ宮殿を個人で見学するときには、入り口がA、C、Dの3つあります。
Aは、ガイドなし(音声ガイドを借りることもできる)で正殿を見学
Cは、音声ガイドつきで王の寝室と王太子、王太子妃の居殿を見学(同じチケットで正殿の見学もできます。入り口はB2)
Dは、国立博物館学芸員によるガイドつき見学です。(フランス語または英語)
*10歳以下の子供は入場が無料です。ただし音声ガイドは有料です。

私が今回体験したのは、Dの学芸員さんによる解説つきの見学です。
まず最初に簡単にヴェルサイユ宮殿の歴史を説明してもらって、さあ出発です。
今回は、一般のチケットでは見ることのできないルイ15世の寝室や、彼の娘で音楽好きのアデライド王女が演奏などをしていた部屋、劇場などを
見ました。学芸員がいろいろなエピソードを交えて話してくれるので、1時間半という長い時間もあっという間です。

私のグループには子ども2人を連れたフランス人のお父さんお母さんが参加していました。
子どもたちは5〜6歳でしょうか。彼らには少し長かったようで、途中から床や椅子に座ったりしていましたが、おしゃべりすることもなく静かに
聞いていました。お母さんとお父さんが見学を楽しんでいるのを、ちゃんと知っているからでしょうね。

学芸員さんの解説の後は、持っているチケットで正殿の見学もできます。

外に出てみましょう。この広大な庭園は、造園家ル・ノートルがてがけました。典型的なフランス式の庭園で、ほぼ左右対称につくられています。
ところどころに泉や花壇などがあり、またあちこちに神話や寓話に登場する人物や動物の像が置かれています。樹木庭園ではガイドつき見学もあります。
またこの庭園のなかには小さな運河があり、木陰には親子で休んでいる姿も見えました。

夏の間は「大噴水」という催しが毎週土曜日、日曜日に開催されています。全部の噴水が音楽と共に開かれ、とてもきれいです。
次回はヴェルサイユ宮殿の子供のためのアトリエ活動についてレポートします。

[交通]
RER "C" 線で「Versailles Rive Gauche, Chateau de Versailles」で下車。徒歩10分。モンパルナス駅からSNCFで「Versailles Chantiers」で下車。徒歩15〜20分。

イギリス番外編 『イギリスの美術館で出会った親子』