イギリスの美術館で出会った親子 

こんにちわ。AACの杉浦です。
3月の中旬、調査のためイギリスを訪れ、あちこちの美術館に行ったり
ギャラリーエデュケイターさんたちにインタビューをしてきました。

その様子もまたお知らせする予定ですが、
今回は私と一緒にイギリスに行った
久保敬子さんからのレポートを紹介します。
彼女は、会社に勤め、お子さんを育てているかたわら、ギャラリーヱデュケーターをやっています。

先日1週間ほどイギリスを訪れましたが、その時目にした美術館で過ごす親子の楽しげな様子をレポートしてみたいと思います。

休日ともなると、どこの美術館もファミリーやツーリストなどたくさんの人でごった返しています。
日本では、ベビーカーで美術館を訪れる人をあまり見かけませんが、こちらではごく一般的なことのようです。
不思議と走り回ったり、大騒ぎする子どももいません。美術館でのマナーを小さな頃から教えられ、それが身についているのか
もしれませんね。

一つの作品を前に、親と子がお互いに感じたことを話し合っている光景を何組も見かけました。
大英博物館のギリシア・アッシリアのコーナーでは、小学2年生位の女の子と6年生位の男の子、そしてお母さんが、赤絵のつぼ
を穴が開くほどよく見ています。
何にそれを使うのか、そこに描かれているものが何なのか?自分が見て感じたことを素直に話し、親の方もじっくりと耳を傾けて
います。たとえ言葉がおぼつかない小さな子どもであっても、親は盛んに語りかけています。
彼らはこのようにして小さな頃から美術館に慣れ、親しんでいるようです。

ナショナル・ギャラリーでは「Tell Me a Picture」という子ども向けの展示が行われていました。
展示室は、イギリスで人気のあるクエスティン・ブレイク氏によるイラストで可愛らしくまとめられ、
子供の目線に合わせた少し低めの展示、やや明るめのライティングで、大人でも楽しくなる雰囲気が醸し出されています。
クイズ形式で作品と作家に親しむような工夫もされていて、答えがわかった子どもが親にいち早くそれを伝えたそうにしていたり、
子ども同士手をつないで楽しそうに鑑賞しているようすには、こちらも思わず微笑んでしまいます。

この展覧会が開かれていた ナショナル・ギャラリーhttp://www.nationalgallery.org.uk/

フランス編『ヴェルサイユ宮殿からのレポート』
スペイン番外編 『プラド美術館での子どもたち』