まず最初に出会うのがさまざまな美術作品です。

何千年も前に作られたような古いものから、今この時に作られている新しいもの。
日本で生まれたものもあれば、まだ見たことのない遠い国で作られたもの。
絵の具で描いたものもあれば、こつこつ石や木を彫ってつくったもの。
手の中におさまるような小さなものから、見ている私たちが入ってしまえるような大きなもの。一言で美術作品といっても、いろいろなものがありますね。
そういったさまざまな作品に会えるのが美術館です。

作品に出会った時、子どもたちはこんなことが体験できます。

じっと見る、そして五感で楽しむ

子どもたちにとって新しい出会いの宝庫である美術館
多くの美術館では、絵画、版画、写真をはじめ、彫刻や工芸品など
ほとんどすべて
目で見て楽しむように置かれています。
目で見るのは直接手で触れるのとは異なる体験なので
年齢によって、また慣れるまでちょっともどかしい気持ちになるかもしれません。

それでもまずは
じっとよく見てみましょう。
そうすると色や形、大きさや材料、描かれているものを通して
作品一つ一つが私たちに話しかけてくる“声”が聞こえてきます。

また最近では、手で触れる作品や、音を出したり、においがあったり、味わえるような
作品またインスタレーションのように、作品だけでなくそれが置かれている空間全体を
五感を使って感じる作品もあります。
五感をフルに使って新しい世界に触れる刺激的な体験ができる場所、それが美術館です。

話す、そして聞く

想像したことを今度は声に出してお話してみましょう。
感じたことを言葉にする中で、子どもたちは自然と自分の言いたいことを伝えたり、
今まで使ったことのない新しい言葉を使ったりします。
お家では話さないようなことも家族でお話できるかもしれません。

また自分が話すだけでなく、一緒に美術館に行った人がお話するのを聞くのもよい経験
です。同じものを見ていても、人によってさまざまな感じ方があることが分かるでしょう。

考える、想像する

新しい作品に出会って、じっと見て、五感で感じる。
声にならない作品の声を聞く。
そこからいろいろなことを
考え、想像してみませんか。

なぜここは赤い色で描いてあるんだろう?
なんでこの人はこんなに大きな絵を描いたんだろう?
これを作った人はどこの国のどんな人だろう?

子どもたちは心の中でどんどん想像をふくらませるでしょう。
またこういった質問をお父さんお母さんが彼らに投げかけることで、
その想像は一層ふくらみます。

作品を一つの窓として、その先に広がる世界に思いを子どもたちと
一緒に思いを馳せてみましょう。