大人にとっても子どもにとっても、新しい世界に出会える刺激的で楽しい場所、美術館。
美術館に置かれているものは基本的にみんなのもの、どんな人でも自分の方法で楽しむことができます。
でもそれは何をしてもいいということではありませんね。

みんなが気持ち良く美術館を楽しむために、大人も子どもも守らなければならない
3つのお約束があります。
そのお約束を守ることも大切ですが、もっと大切なのは、なぜそれを守らなければいけないのかを子どもた
ちと一緒に考えることです。

私自身の経験では、3才から4才の子どもたちのほとんどは3つのお約束がある理由を自分たちなりに考える
ことができます。

初めて美術館に行く時、また今日は触りたくなりそうな美術館だけど大丈夫かなと思う時、美術館に入る前
にこの
3つのお約束と,なぜそれを守らなければならないかという理由を子どもたちと話し合ってみてくださ
い。回を重ねていくうちに、自然と身についていくと思います。

美術館で守るお約束はこの3つです
  • 大きな声を出さない
  • 走らない
  • 触らない
大きな声をださない

美術館では一言も声を出さず静かに鑑賞しなければならない、という決まりはありません。
いろいろな作品に出会って感じたことを一緒に行った人とお話をするのはとても自然なことです。
でもそれは好きにふるまっていいということではありませんね。
周りを見てみましょう。他の人たちも思い思いに作品との出会いを楽しんでいます。
それを邪魔するような必要以上に
大きな声は出さないようにしましょう。
これは美術館に限らず公共の場所ではどこでも守らなければならないお約束です。
行き帰りの電車やバスの中でも気を付けたいですね。

走らない

子どもたちが普段経験している空間に比べて美術館は広いですね。
そのため嬉しくなって走りだしたくなるかもしれません。
また新しいものを発見した嬉しさで、お母さんやお父さんに早く知らせたくてそれに向かって駆け出してしまうかもしれません。
子どもたちにとってはとても自然な反応ですが、走って作品や他の人にぶつかるとどうなるでしう?
世界で一つしかない大切なものが壊れてしまったり、人や自分が怪我をしてしまうかもしれませね。
わくわくする気持ちはよく分かります。でも美術館では走らないようにしましょう。

触らない

これは美術館ならではのお約束ですね。
子どもたちにとって美術館に置いてあるものは初めてものが見るものがほとんど。大人でも未知のものは触ったりにおいをかいで確かめてみたいもの。ましてや子どもたちにとっては、知らないものに触りたいのはごく自然なことです。
でも美術館に置かれている作品はとてもデリケート、そしてそのほとんどが世界に一つしかないとても大切なものです。
今生きている私たちだけでなく、子どもたちが親になったらその子どもたちにも楽しんでもらいたいものばかりです。
そういったみんなの物である大切な作品にうっかり触ってしまうとどうなるでしょう?
手は気が付かないうちに汚れているかもしれません。
またうっかりして作品にダメージを与えてたり、壊してしまったりするかもしれません。
お子さんによっては最初はつらいかもしれませんが、作品には触らないようにしましょう。
目だけで楽しむことに慣れないうちは、作品が展示ケースに入っている美術館や触ったり、体験できる作品がある美術館から訪れてみてはいかがでしょう。
また壁やガラスなどに触らないことから始めてみてはいかがでしょう。

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